元ライン整備士が考える 航空業界を目指す人が絶対経験しておいた方がいいこと

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元航空整備士ライター。航空専門学校卒業後、国内大手エアライン整備子会社で勤務。一等航空運航整備士(767)、航空無線通信士保有。
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こんにちは、せーびさんです。

今回は「航空業界を目指す人が経験しておいた方がいいこと」というテーマでお送りします。

航空業界を目指す人が経験しておいた方がいいこと

それはズバリ遅延・欠航です。

どうして経験しておいた方がいいの?

1.遅延・欠航した際のお客様の気持ちがわかる

飛行機が遅延・欠航するとき、現場では安全を守るために様々な判断をします。安全を守るという大きな使命を前にすると、時にお客様のお気持ちを忘れてしまうことがあります。しかし、安全は当然として、お客様の快適性や利便性を損なってしまっては二度と利用してもらえません。

あるとき、私は伊丹空港18時25分発の便に搭乗していましたが、トラブルが発生し機内で2時間近くアナウンスもなしに閉じ込められ結局20時半に欠航になりました。

トラブルが発生のアナウンスがあったとき、乗客は代替手段として新大阪駅からの新幹線を検討し始めました。

東京行き新幹線の終電は21時24分。刻々と時間が過ぎていきます。

20時半を過ぎて飛行機から降ろされた乗客はタクシー乗り場に殺到して、長蛇の列になっていました。私がタクシーに乗れたのは21時ごろ。他の乗客と相乗りにして21時17分に新大阪駅に到着し、なんとか終電に乗れました。

おそらく私より後にタクシーに並んでいた方は終電を逃したと思われます。

私たちが機内に閉じ込められていた2時間の間に、整備士さんがいろんな努力をしたことは、私もライン整備士の端くれなのでわかります。

しかし、伊丹空港の離発着の門限(CURFFEW)は21時。20時近くなって不具合が治っていないなら出られない可能性が大きくなります。欠航になる可能性が高いなら、代替手段である新幹線の終電に間に合うようお客様を解放して差し上げるべきだと私は思いました。また、タクシー会社にも連絡しておけばもっとスムーズだったと思われます。

機体に不具合が発生するのは仕方ありません。そんな時こそ、お客様のお気持ちを考えたオペレーションができるかどうかで次また利用してもらえるかが変わります。

2.航空会社によって対応が違うことがわかる

私は今年は旅行運がないのか、別の航空会社でまた大幅遅延に巻き込まれました。

乗客が全員搭乗し終わったタイミングでトラブル発生のアナウンスがありました。結局1時間機内で待ってから遅れて出発しました。

よかった点1 電子機器類可

トラブル発生の第一報の際にCAさんが「まだドアは閉まっておりませんので電子機器類はご使用になれます」とアナウンスしていました。おかげで安心して目的地で待っている人に連絡できました。

よかった点2 こまめなアナウンス

「整備作業は30分程度を見込んでおります」

「追加の情報はありませんが、ただいま整備作業を急いでおります。」

「整備作業は完了し、現在出発に必要な書類の作成をしております」

など、逐一状況のアナウンスがあり、安心することができました。CAさんがこういったアナウンスができるのは、現場ではたらく整備士からこまめに状況が伝わってくるからです。この心遣いは真似したいと思いました。

お客様が1番知りたいのは「あと何分掛かるか」です。それを判断するには普段から時計を見て「この作業はこれくらいかかったな」という経験を積むことが必要です。

よかった点3 あめや飲み物の配布

機内で整備作業を待つ1時間の間に、CAさんがあめや水を配ってくれました。機内にいる時間を少しでも快適にしようという心遣いを感じました。

3.面接の時にエピソードとして使える

遅延や欠航を経験して上記のような比較をしたエピソードを述べられると、面接の時に良いと思われます。

まとめ

いかがでしたか?航空会社によっても対応が異なることや、お客様のお気持ちを考えたオペレーションがいかに大切かおわかりいただけましたか?

航空業界を目指すなら、遅延や欠航になった時、各社の対応を観察してみてくださいね。

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