航空専門学校の選びかた
みなさんこんにちは、元航空整備士のせーびさんです。今回は専門学校の選び方を紹介したいと思います。最近は航空専門学校も多くなり、結局何が違うのか、どう選んだらいいのか悩む学生さんも多いと思います。
どの専門学校に行っても取れる資格や就職先に大きな違いはありません。大切なのはどの専門学校に行くかより個人の努力です。では、専門学校はどんな基準で選べばいいのでしょうか。
場所で選ぶ
どんな場所で2年もしくは3年過ごすかは、意外に重要です。詳しく見ていきましょう。
実家から通うか、一人暮らしか、寮か
まずは実家から通うのか一人暮らしをしたいのかを考えましょう。航空専門学校生は結構忙しいので、実家から通える範囲に学校があり、ご家族との関係も良好なら、家事に自炊にバイトに……と、あえて一人暮らしのハードモードを選ぶ必要もないかと思います。(逆に社会人になってからの練習という考え方もできますね。)
通学時間は片道1時間程度に
ただし、実家からの通学時間は1時間程度、遠くても片道1時間半以内が良いでしょう。なぜなら、国家試験や技能審査前は早めに学校に行って、少しでも実習の時間を確保したり、放課後残って勉強をしたりします。家が遠いと負担が大きいからです。
私の先輩は、冬に朝練をするためまだ暗いうちに家を出て自転車を漕いでいたら、転んで怪我をし技能審査に支障が出た方がいました。私も技能審査前は通学の時間すら惜しく、家が学校に近い同期の家に泊まり込んで勉強していました。
航空整備士の試験の多くは口述試験のため、電車の中で勉強するのが難しいです。また、1人で黙々と机に向かうより、同期と口述練習をしあう方が身につきやすいです。そういう点で寮生が羨ましかったです。
実家か一人暮らしか寮か、よく考えてみてくださいね。

都会か田舎か
私の出身校は周辺が住宅街だったので校庭が狭く、小型機2機のエンジンを回すのが精一杯の広さの校庭を固定翼、回転翼、グランドハンドリングの3コースで譲り合って使っていました。その代わり、ショッピングモールが近く、帰り道にみんなでファミレスによったり、カフェで勉強したり、バイト先に困ることもありませんでした。休日は都心に出ることもできました。
逆に北海道の専門学校に行っていた同期は、固定翼もグランドハンドリングも広大な土地で思う存分実習ができた代わりに、学校の近くに飲食店はなかったと言っていました。(その分、寮生活が濃かったのか、寮生の絆が深く、それは羨ましかったです)
都心や空港からのアクセスもチェック
都心や空港からのアクセスもチェックしましょう。特に一人暮らしや寮で生活する場合は、実家に帰りやすいかも確認しましょう。私の同期は実家が九州なのに羽田空港から2時間近くかかる学校を選んだため帰省のたびに大変そうでした。いっそ距離では遠くても千歳空港に近い学校にすればよかったとぼやいていました。(どっちの方が時間が短いんでしょうかね……?)
指定養成施設を選ぶ
指定航空従事者養成施設(以下「指定養成施設」という。)とは、航空法施行規則に定められた技術基準に適合し、国土交通大臣から指定を受けた操縦士等の養成施設であり、その課程を修了した者に対しては、国による実地試験の全部又は一部を行わないことができるとされております。
(国土交通省HPより引用:https://www.mlit.go.jp/koku/content/001512561.pdf)
どういうこっちゃ、ですよね。
通常、技能証明を受けるには国の実地試験を受けなければなりません。しかし、指定養成施設で実技実習を受けた場合は、その実地試験を免除することができます。かといって最終審査がないわけではなく、学校の教官(普段教えてもらっていない教官)によって技能審査が行われます。
しかし、慣れ親しんだ設備、散々触ってきた飛行機で試験ができるというのは心強いです。
また、指定養成施設は定められた養成課程を組んでいるため、安心感がありますし、就職にも強いです。
指定養成施設の学校(整備)一覧(令和7年1月現在)
中日本専門学校(岐阜) https://www.cna.ac.jp/https://www.cna.ac.jp/
国際航空専門学校(埼玉) https://www.asano-kac.ac.jp/
日本航空大学校北海道(千歳)https://www.jaa-tech.jp/
東日本航空専門学校(宮城) https://www.ejair.ac.jp/
千葉職業能力開発短期大学校(成田)https://www3.jeed.go.jp/chiba/college/subject/narita/006/index.html
(専)日本航空大学校石川(能登)https://jac-n.jp/
崇城大学(熊本)https://www.sojo-u.ac.jp/faculty/engineering/aerospace/mechanic/
大阪航空専門学校(堺)https://kouku.ac.jp/
成田国際航空専門学校(茨城)https://www.niia.ac.jp/
取れる資格と在学年数で選ぶ
学校で取る資格によって在学年数が異なります。詳しくみていきましょう。
二等航空整備士(3年)
小型機の整備資格を取るコースです。
二等航空運航整備士(2年)
小型機の運航に関わる整備資格を取るコースです。
一等航空整備士準備コース(3年+α)
入社後に大型機の一等航空整備士の資格取得を目指すコースです。絶対大手エアラインに就職したいという方はこのコース設置学校を選びましょう。しかし、養成人数が少なく入学後に選抜試験や適性検査がある場合が多いので注意しましょう。
運航整備士は不利なの?
入社後に足りない分の訓練を行うため、2年で取る運航整備士の資格が簡単だとか就職に不利だということは全然ありません。しかし、入社してからの訓練が多くなることがあります。
また、小型機専門の航空会社に行く場合は3年かけて二等航空整備士をとっておいた方がいいかもしれません。(小さな会社は自社での養成施設を持っていない場合が多いため。)
ヘリコプターコースは開設校が少ないので注意
ヘリコプターの整備コースは、国際航空専門学校と中日本航空専門学校、日本航空大学校石川の3校しかありません。ヘリコプター整備士を目指すかたは注意しましょう。

キャンパスライフで選ぶ
イベントの有無と授業数
候補の学校が部活や行事に力を入れているかチェックしましょう。体育祭や文化祭、合唱祭などのイベントが好きな方は行事が多い学校を選びましょう。私はそういうのがほとんどない学校を選んだので少し寂しかったですが、その代わり最低限の授業数しかないため金曜日は3限で帰れてすごく嬉しかったです。
欠席可能日数や補講なども要チェック
指定養成施設は定められた授業を必ず行わなければなりません。したがって、風邪や怪我で学校を休んだ場合、必ず補講があります。その補講が有料だったり無料だったり学校によってまちまちです。
私が通っていた学校は補講は無料でしたが、10日以上欠席した場合、指定された養成課程を完了するのは不可能と判断して留年orコースアウト(資格を取らないコースに移籍)になるという厳しいものでした。
入社後に同期に話を聞いたところ、逆に補講は有料の代わりに何時間でも補講をしてくれる学校もあるそうです。
補講や欠席可能日数などは指定養成施設なら必ず決まりがあるはずですが、入学するまではぼかされている場合もあるので、学校説明会で必ず質問をしておきましょう。
おまけ 女子の多さで選ぶ
将来、CAやグランドスタッフになる女の子たちと出会いたい場合は、CA・グランドスタッフコースが併設されている学校を選びましょう。グラハンと整備士しか設置されていない学校は女の子がとても少ないです。
勉強と同じくらい恋愛を重視するなら他にどんなコースが開設されているか確認しましょう。
航空整備士の恋愛事情についてはこの記事でもまとめていますので、ぜひ↓
ここまで読んでくれてありがとうございました。
上手に専門学校を選んで素敵なキャンパスライフを送ってくださいね。
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